令和5年度より当会会長、事務局長が交代となりました。新しい会長、事務局長は以下の通りです。
会 長 田中康雄
事務局長 佐藤祐基
1. 災害対策委員会名簿
2. 災害対策委委員会基本方針
「コロナウィルス関連リソース集」および「災害下における子どものこころのケアに役立つ手引き」を日本児童青年精神医学会が作成しています。下記リンクから、提言・報告をご覧ください。
http://child-adolesc.jp
日本精神神経学会精神科専門医ポイント(C群1単位)の取得が可能です。
2023年2月に行われました北海道児童青年精神保健学会 第48回例会にて「ときわ病院救急急性期治療病棟における児童思春期入院治療の現状」を発表された下村 遼太郎先生(ときわ病院・ときわこども発達センター)が優秀発表賞を受賞されました。
当会へ入会希望される方は下記入会申込書にご記入の上、メール添付にて事務局あてにご送付下さい。
年会費は3,000円で、研修会、例会の参加費は無料となります。
また、年1回発行される雑誌をお送りいたします。
E-mail h-jidoseinen@conv-s.com
ギャンブルは、ギャンブルをする本人の心を破壊するだけではなく、家族や親しい人たちに対して、経済的及び心理的な被害を与えます。
児童精神科の診療では、親のギャンブルが原因で、生活を脅かされているこどもたちに出会います。親がギャンブルで多額の債務を抱えたため、督促の電話が鳴り続けて、震えが止まらず歩けなくなったこどもがいます。親が朝からパチンコ店へ行き、食事を与えられないこどもがいます。ギャンブルをする父親に修学旅行のために貯めたお金を奪われたこどもがいます。債務取り立てにおびえて、こわい、家に帰りたくない、ずっと病院にいたい、と訴えるこどもがいます。親のギャンブルが原因で、こどもたちはとても苦しんでいます。
私たちは、ギャンブルの被害から、家庭とこどもたちとを護りたいと考えています。日本のギャンブル問題は、深刻です。日本のギャンブル依存症の有病率は2.2%であり、ヨーロッパ諸国と比べて高率です(イギリス0.8%、スウェーデン0.9%、スイス1.6%)。日本のギャンブル依存症の有病率の高さは、ギャンブルに接触する機会が多いことと関係しています。スロットマシーンなどのギャンブル機器の保有数が調査されていますが、全世界のギャンブル機器の総数が740万台、日本には430万台があり、世界の総数の58%を保有しています。駅前の商店街に必ずパチンコ・パチスロ店があるという光景は、日本では当たり前の光景ですが、世界ではありえない光景です。コンビニエンスストアで買い物をするのと同じ手軽さでギャンブルをする店に入ることができること、この容易さが、日本のギャンブル依存症の有病率の高さの原因なのです。
ギャンブルに接する機会が世界一多い日本に、さらにカジノを建設し、さらにギャンブル人口を増やし、さらにこどもが育つ環境を悪化させることは、してはならないことです。
ギャンブルの害が、ギャンブルをする本人を越えて、家族や関係者にまで及ぶことを調査した外国のレポートがあります(オーストラリア・ヴィクトリア州、2017年)。調査された州にはカジノがあり、人口は579万人で、北海道に近い人口です。調査結果は、ギャンブル依存症の人の家族や関係者が、心や人間関係に深刻な害を受けていることを証明しています。うつや重度の不安が54%、離婚や親子の離別に追い込まれた人が30%、自殺を図った人が7%でした。ギャンブル依存症の人が1人いると、家族や関係者6人が、心や人間関係に深刻な害を受け、少なくない人数が自殺を図っている、というのが調査結果でした。
人口579万人のヴィクトリア州で、ギャンブル依存症が3万5千人、家族や関係者として被害をこうむる人が17万人、合計20万人がギャンブル問題で苦しんでいました。この調査では、さらに、依存症にまで至らない程度のギャンブルについても調べています。依存症にまで至らない程度のギャンブルも本人と家族と関係者に害を与えており、ギャンブル依存症による害と依存症に至らない程度のギャンブルによる害とを加えると、579万人の内の132万6千人、全人口の23%が、ギャンブルから害を受けている、という結果でした。
ギャンブルは、家庭を破壊し、こどもの生活を脅かし、こどもの育ちに深刻な害を与えています。私たち専門家団体は、ギャンブル被害をさらに増大させるカジノの建設に、強く反対します。鈴木直道知事に、北海道内へのカジノIR誘致を認めないことを、求めます。
令和6年4月10日
北海道児童青年精神保健学会 会長 田中 康雄
北海道臨床心理士会 会長 飯田 昭人
北海道精神保健福祉士協会 会長 佐々木 寛
北海道子どもの虐待防止協会 会長 内田 信也
(この要請に賛同します)
札幌弁護士会 会長 清水 智
カジノを含む総合型リゾート施設(IR)の整備を推進する法「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」が成立し、その経済的波及効果を期待して、北海道内でも数カ所の自治体がIRを誘致しようとしています。しかし、カジノを含むIRの誘致は、今でも深刻なギャンブル嗜癖問題をさらに悪化させ、その結果、家庭が崩壊して子どもの育つ環境が益々劣悪になるおそれがあります。このようなことから、私たちは、子どものこころの健やかな発達を願う立場のものとして、カジノを含むIRの誘致に反対します。
カジノが日本国内に存在しない現在でも、ギャンブル嗜癖は子ども達を脅かしています。親がパチンコなどのギャンブルに熱中した結果、家計が破綻し、養育環境が破壊され、子ども達は貧困とネグレクトで苦しんでいます。
子どもの健やかな発達のためにも、ギャンブル嗜癖問題は解決すべき大きな問題です。
さらに、ギャンブルは青少年のこころの発達に悪影響をおよぼす強い懸念があります。射幸心を刺激して金銭的な幻想をいだかせるギャンブルは、社会人としての人格を形成する時期にある青少年のこころの発達を歪めてしまう可能性があります。
私たちは、北海道内の自治体がカジノを含むIRを誘致することに反対の意思を表明します。あわせて、現在でも深刻な問題となっているギャンブル嗜癖に対し、精神医学、心理学、教育、福祉、司法などの専門家による会議を設置して議論を深め、本格的な対策を講じることが必要であると訴えます。
平成30年3月13日
北海道児童青年精神保健学会 (会長 氏家 武)
北海道臨床心理士会 (会長 河合祐子)
北海道子どもの虐待防止協会 (代表 間宮正幸)
北海道児童養護施設協議会 (会長 高橋一彦)
札幌児童養護施設協議会 (会長 秦 直樹)
全国自立援助ホーム協議会北海道ブロック(代表 屋代通子)
<賛同団体>
札幌市小児科医会 (会長 中田修二)
北海道精神保健福祉士協会 (事務局長 高野和美)
E-mail h-jidoseinen@conv-s.com